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- あえて虹色フレアが出やすく設計された新作レンズ「smc PENTAX-FA 50mm F1.4 Classic」
- 画質の切れは素晴らしいがピント合わせがとてつもなく難しいマニュアルフォーカスレンズ「APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical」
「カメラマンリターンズ」とは、休刊中の雑誌「月刊カメラマン」に関連したムック本です。
現在発売中の「~ #8」はデジカメ用のレンズ特集なのですが、その中で気になったレンズが2本ありましたのでご紹介しておきます(※作例等はありません)。
あえて虹色フレアが出やすく設計された新作レンズ「smc PENTAX-FA 50mm F1.4 Classic」
こちらはペンタックスKマウント用の単焦点レンズで、今年(2023年)に発売されたばかりの新作です(※フルサイズ対応)。
(※ブランド名はペンタックスのままですが、リコーイメージングから発売されています)。
このレンズの特徴は、あえて虹色フレアが出やすく設計されているところです。
通常のレンズ開発ではフレアやゴーストが出にくくなるように設計するのが一般的なのですが、表現手段といいますか、選択肢のひとつとして、あえて虹色フレアと呼ばれるゴーストが発生しやすくなるように設計されています。
同書の座談会によりますと
- 虹色フレアが出るのは F1.4~F4
- F値をさらに絞るとキリっと写る
- フレアの出方は画面内の光源の位置で変わる
とのこと。
興味を持たれた方はチェックされてみてはいかがでしょうか。
(※念のため書き添えておきますが、基本的にフレアは逆光の時に出ます。どんな光の状態でも画面内に虹色フレアが現れるというような、アプリのフィルターによるエフェクトのようなレンズではありませんので、ご注意ください。また、レンズにフードをつけるとフレアやゴーストは出にくくなります)。
画質の切れは素晴らしいがピント合わせがとてつもなく難しいマニュアルフォーカスレンズ「APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical」
コシナは、他社のカメラ用のレンズを設計・販売しているいわゆるサードパーティーです。
そのため、こちらのレンズも、ソニーEマウント用、ニコンZマウント用と、複数のマウントで展開されています。
発売年はマウントによって異なりますが、ソニー用が2019年、ニコン用が2022年と、比較的最近になって発売された新しいレンズです。
同書の座談会によりますと
- 画質はとにかく素晴らしい(公式には8000万画素、社内的には1億画素超えでも使える性能が出ているとのこと)
- ピント合わせが、超絶、難しい(フォーカスエイドやピーキング表示を使っても厳しい)
と、ものすごく極端な性能のレンズのようです。
ちなみにピント合わせが難しいというのは、ピントのピークが鋭い峰のように切り立っていて、その前後が急激に落ちているからだそうです。
そのため、撮る側も一苦労どころでは済まない、かなり緊張感を強いられるレンズなのだとか。
メーカー側にとってもかなり大変なレンズのようで、同書の座談会に参加したコシナ営業開発本部の佐藤和広さんによると
ピーキーな設計なので、調整も1点1点確認してから出荷しています。その調整作業が結構、神経を使います。(87ページより)
とのこと。
ただし、すでにご紹介したようにピント合わせが超絶困難なレンズのため、うまく撮影できなかった場合には「眠い」とか「解像感悪い」といった感想を持ってしまう方もいらっしゃるようです。
興味を持たれた方はチェックしてみてください。